
お金は何の栄養にもならない
【お金は何の栄養にもならない 】
こう言っているのは
私のとても好きな建築家
– 安藤忠雄 –
日常において様々な選択をする時
人生において大きな選択をする時
お金というキーワードを切り離すことは難しい
ヨガ哲学は今を生きることの教えでもあるが
今を生きるとは、未来への不安を抱かずに今目の前だけを見つめ生きる。
ではない
例えば今から車に12時間乗り運転する、その間一度も尿をたすことはできないとしよう。
この状況下で
今、喉が渇いているから水分を好きなだけ飲む。だって今、喉が乾いているから。
少し先の未来を抱かずに今目の前だけを見つめるとはこういうことだ
その後は言うまでもない
尿をたしたくて苦しむだろう
未来をイメージするということ
今より少し先を抱くということは「 今を生きる 」ために最も欠かせない大切な事だ
喉が渇いた時、水分を摂取しても排泄できるという安心があるから
今その時に迷わず水分補給をし、本当の意味で今を生きることができるのだろう
安心という受け皿がなければ不安で水も飲めない
喉が渇いたのに漏らしてしまうかもという不安にかられ飲めない
排泄したくなったら困ると考え少ししか飲めなくて
気がつけばその事ばかりを考え
不安をいったりきたりして執着し囚われていく
不安によって 「 今 」を見失う
お金という存在もまた同じだろう
安心という受け皿でもあるお金がなければ、不安にかられ今を生きることを難しくさせる
お金というのは安心という物質であり
「 今を生きる 」には欠かせない重要なもの
お金がいくらあれば安心となるかは様々
だからこそ
この言葉の意味がある
「 お金は何の栄養にもならない 」
人生の栄養となるものはお金では買えないものだ
子供達に
本当の意味での「 今を生きる 」 を渡すために
安心を与える親がいる
安心を与える社会環境や教育がいる
そうしていずれお金を自らで生み出しお金と向き合える人間になった時
安心を作り出すことができる時
親が子から離れる時なのかもしれない
子が社会に還元する役割となる時なのかもしれない
お金と向き合う機会は
生き方や自分の本質と向き合う機会となる
そして導きだされるのは
いずれ死ぬという未来へのイメージ
死を抱くからこそ生まれる 「 今を生きる 」
「 お金は役に立つが何の栄養にもならないのだ 」

ライター:川又尚子
ヨガを意識した暮らしをスタートさせたのは15年前。“yoga at home"=“ヨガを日常の習慣にすることがその人の美しさを引き出す”という考えのもと、インストラクターとして「TANMATORA YOGA」を主宰。自宅のある葉山を拠点に、ヨガの土台づくりとなるclass. workshop. eventを鎌倉・東京・関西で開催。また漢方、SPICE、お香など、日常のヨガをサポートするプロダクトを販売する「MUNDUS」(ムンドゥス) のオーナーでもある。女性たちが、Family Firstを優先にしながら気持ちよく仕事ができる環境づくりを軸に、女性が元気な社会づくりに取り組む“MUNDUS Project"として、長期的ビジョンをもって活動中。
2017年長女を出産
2020年長男を出産