質問と対話
自宅のレモンの木に
黒い糞のようなものが葉について
翌日黒い毛虫のようになって
新芽が食べられていました
どうぞどうぞお食べなさい と
翌日
随分と大きくなって
緑色になって葉っぱに馴染んでアオムシになっていました
それはそれはよく葉を食べて食べて
どうぞどうぞお食べなさい と
さて
こうなると
見ている娘は虫かごに入れて育てたいと言います
考えたいから少し時間をちょうだいと伝えて
思案しました
虫かごに入れて成長を見守るのとこの木を見つめて成長を見守るのと一体何が違うのか
虫かごに入れることで所有欲が満たされ
あたかも自分が育てているような錯覚を起こすのではないか?
しかしながら
子供にとっては虫かごの中で変化したり死んだりする姿を目の当たりにする経験から学ぶことは多い
でも子供が本当にこの青虫の孵化を観察したいという意欲や関心が芽生えているなら
この木を一層に眺めその他の様々な木々の変化にも気が付くだろう
自然の摂理に従って生きる姿の美しさは虫かごでは発見できない
何が正しいのか
何を伝えたいのか
迷って考えている私を見る娘と目があって
娘の表情を見て気がつきました
「 私がまだ娘に問いかけていないことに 」
どちらを選ぶのが成否かを伝える必要はなく
問いかけて聞くことが優先だったことに立ち返りました
すると
彼女は虫かごに入れる入れないという事でなく
この選択が迷う重要性のあること
この選択の持つ重みを彼女はすでに今うっすら学んでいました
自分の選ぶ行為の意味を見つめる訓練になっているということ
そして私も娘もお互いに
” 青虫を育てる ” の本当の意味を
投げかける質問を通して共有できたこと
この小さな
一つの意味を共有した時
子供との会話でなく
子供との対話が生まれていくことを知りました
大人は子供に時に伝える教えるが優先的になりがちだ
日常の様々な効率を上げる為に会話のコミュニケーションが盛んになる
しかし
一呼吸おいて子供に、他者に、質問し。
問いかけから浮き彫りになる意思や価値観の共有は対話を育み
関係性を活性化し強化する為には最も効果的のように思う
他者との関わりの中で質問と対話は今この時代チャットで簡単に行えるが
もっと熱のある対話を今の時代の子供達には必要だ
今こそ大人の対話力を磨いて子供達に投げかけよう!
Naoko Kawamata
TANMATORA YOGA
HP | www.tanmatorayoga.com
MUNDUS
HP | www.mundusprojects.com
ライター:川又尚子
ヨガを意識した暮らしをスタートさせたのは15年前。“yoga at home"=“ヨガを日常の習慣にすることがその人の美しさを引き出す”という考えのもと、インストラクターとして「TANMATORA YOGA」を主宰。自宅のある葉山を拠点に、ヨガの土台づくりとなるclass. workshop. eventを鎌倉・東京・関西で開催。また漢方、SPICE、お香など、日常のヨガをサポートするプロダクトを販売する「MUNDUS」(ムンドゥス) のオーナーでもある。女性たちが、Family Firstを優先にしながら気持ちよく仕事ができる環境づくりを軸に、女性が元気な社会づくりに取り組む“MUNDUS Project"として、長期的ビジョンをもって活動中。
2017年長女を出産
2020年長男を出産