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COLUMNスミタイベント・コラム

急がずに 時を待つ

十月十日(とつきとうか)
新たな命をお腹に宿し出産を迎えるまでのこの時間
 
私自身が第二子となる命をお腹に宿したと知った時 
長女である娘は1歳9ヶ月
遊び 言葉 行動 全てに広がりと幅が出てきた頃
 
新たな命を育みながら 長女の全てを受け止めて育みたい
どのような生活を心がけようか考えました
 
この「 私の子育て」を考える機会は本当に良かったなと今になって思います
 
心に留めようと決めたことは
でき得る限りのことはするということ
 
子供は大人の行動を見て感じて察して自分の行動をとると感じる日々
 
妊娠期間中というのは悪阻の有無や強弱に関係なく
通常の肉体ではないこと
母体という体内の中では一刻一刻と目覚ましく変化し
ホルモンや情緒は常に揺れている
本当の意味で体調が万全であるという状態はこの期間中1日もないものである
 
その揺れている中で
揺れていていいのだということを受け止めながら
母親としてお腹の中の子と 目の前の子を受け止めていくということ
それがどれほど貴重な体験であり大きな仕事なのか
 
上のお子さんがおられる方なんかは
妊娠期間中は野外に連れ出せてあげれなくて可哀想だとか
お友達ができなくて不安だとか
悪阻の強い方なんかはTVや映像に頼ってなんとか妊娠期間を過ごされる方もきっとおられて
ご自身を責めがちになり
不安や心配しがちになるように思います
 
心配することも責めることも必要ない
子供はその状況と母親の様子を見て必要なことを学び種にしているもの
 
子供というのは一緒に料理をする 運ぶ 片付ける
そんな生活の中での些細なこと
大人にとっては日常の当たり前の全ては
子供にとっては刺激的で発見の時間
 
万全でない肉体に無理を重ねて頑張って 
自分自身が疲労し情緒が乱れ
母親の笑顔が見られないのであれば子供も望まないでしょう
 
自分優先で 楽しく 心地よくなるものを選べばいい
 
特別な何かを与えようとしなくても子供は暮らしの中で育てていくものだと痛感した妊娠期間
 
大人が上で子供が下というように考えていると
要求や願望が出てくるものですね
 
夫と同じように
個人という人間であるということをしっかりと土台としていれば
ごまかしや嘘などつけず
本当のことを話し
事実を打ち出し互いに受け止め合える
 
受け止めてもらうということは
こちらもいつでも彼女彼を受け止める姿勢を崩してはならない
但し受け止めるのは親であるこちらが先であるというの言うまでもない
 
そういう関わりが重なっていくと
何をするにも「聞く」「聞いてもらう」「問う」「問われる」というのが
こんなに幼い頃からベースになるのだと驚きます
 
良く育てよう
早くできるようになってもらおう
 
そういったことは全て自然に子供が暮らしの全体から学び環境から知り
 
急がなくても 時が来たら 果実のように実るもの
 
そう思えた十月十日
 
 
 
Naoko Kawamata

 

TANMATORA YOGA
MUNDUS

ライター:川又尚子

ヨガを意識した暮らしをスタートさせたのは15年前。“yoga at home"=“ヨガを日常の習慣にすることがその人の美しさを引き出す”という考えのもと、インストラクターとして「TANMATORA YOGA」を主宰。自宅のある葉山を拠点に、ヨガの土台づくりとなるclass. workshop. eventを鎌倉・東京・関西で開催。また漢方、SPICE、お香など、日常のヨガをサポートするプロダクトを販売する「MUNDUS」(ムンドゥス) のオーナーでもある。女性たちが、Family Firstを優先にしながら気持ちよく仕事ができる環境づくりを軸に、女性が元気な社会づくりに取り組む“MUNDUS Project"として、長期的ビジョンをもって活動中。
2017年長女を出産
2020年長男を出産