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マインドフルネスになぜヨガをとりいれるのか?

ヨーガの実践もマインドフルネスの実践も
「気づき・俯瞰・ありのまま・今ここにいる」
といった共通のキーワードがあります。
ヨーガはヨーガスートラで以下のように定義されています。

yogas chitta vritti nirodhah.
tada drashtuh svarupe vasthanam.
vritti sarupyam itaratra.


心の作用を死滅することが、ヨーガである。
そのとき、自己はそれ本来の状態にとどまる。
その他のときは、自己は心のさまざまな作用に同化した形をとっている。

※ヨーガスートラ 1−2〜1ー4
出典 インテグラルヨーガ パタンジャリのヨーガスートラ
スワミ・サッチダナーンダ著 伊藤久子 訳より

ヨーガとは

心の動きを海の波のような荒々しく動いている状態ではなくて、
湖のような静まり返った状態にするということです。

心が湖のように静まり返るとその湖の奥にある自己の本質の姿を知ることができる。
でも、波が荒々しく立っているように、心がその他の対象のに同化をするように動き回っていると
自己の本質を見失ってしまう。

そういったことをヨーガの智慧は私たちに教えてくれています。

なのでアーサナ(ポーズ)の練習ももちろん非常に大事であり、楽しいことですが、
ヨーガの本来の目的は、肉体や呼吸を超えて
心の観察やトレーニングであるということになります。

アシュタンガヨーガというヨーガの8つの段階があるのですが、
アーサナ(ポーズ)は3つ目、プラーナヤマ(呼吸)は4つ目、
そしてマインドフルネスとも共通するディヤーナ(瞑想)は7つ目の段階になります。
段階が上がる方が繊細で取り組みが難しくなるということです。


アーサナの練習を続けると今までできなかったことが少しづつできるようになります。
柔軟性や可動域が出てきたり、必要な筋力がついてきたりします。
美容や健康にとてもいいのは言うまでもないのですが、
自分自身の努力と継続によって
スモールステップを重ねることで、ヨガをしている本人の自信につながったり
心の状態がサットバ(良質)で安定していくことが
何よりものヨガの魅力だと感じています。

マインドフルネスとは以下のように定義されています。


瞬間瞬間の体験に対して、今の瞬間に、
判断しないで意識的に注意を払うことによって実現される気づき


※マサチューセッツ大学医学大学院教授 ジョン・ガバットジン博士
1970年代に認知療法の枠組みに瞑想を融合したマインドフルネスストレス低減法
(Mindfulness-based-sterssreducion;MBSR)を開発

 

マインドフルネスの大きな特徴は

科学的に効果が検証されている心のトレーニング法
仏教瞑想をルーツとする「気づきの瞑想法」
宗教性を排除


つまりヨーガと同じく
マインドフルネスもやはり心の観察でありトレーニングなのです。

ヨーガの方が心の働きに対してコントロールをしようということなので
主体的で認知行動療法的な手法であり、
マインドフルネスの方が心の働きをコントロールしようというよりも
ただありのままに気づきを持ちましょう、観察しましょうという、
禅的でもう少し受動的で認知療法的になるとも言えますが。

マインドフルネスの実践では
座位瞑想、呼吸瞑想、ボディスキャン、生活瞑想などの方法がありますが、
これらはそれぞれ
ヨーガのアーサナ、プラーナヤーマ、プラティヤハーラ、カルマヨーガにあたります。


瞑想を単体で練習するのもとても良いのですが、
やはり慣れないうちは力んだり気負ったりしてしまったり、
そもそも正しい姿勢で座ることが辛かったります。
身体感覚の観察を導入することにより、
瞑想の質であったり、気づきや観察を実践しやすくなるのです。


ヨーガとマインドフルネスは非常に相性がいいのです。

こういったことからSmitaのマインドフルネス講座ではヨーガとマインドフルネスの実践を合わせて行なっていただいています。

マインドフルネス瞑想→ヨーガで身体を適度に動かす→シャバアーサナ→呼吸法→
正しい姿勢で座る→ボディチェック→マインドフルネス瞑想


こういった流れでヨーガとマインドフルネスを実践していただくと、
ヨーガ前とヨーガ後のマインドフルネスの感覚が全然変わったというお声をとてもいただきます。

ヨーガもマインドフルネスも机上の理論でも哲学でもなく
実践的な手法です。
ぜひ日々の習慣に取り入れて見てください。

SAYA

6歳よりバレエをはじめる。ソウダバレエスクールにて本格的なバレエメソッドを学ぶ。関西学院大学社会学部卒業後、株式会社リクルートHRマーケティング(現リクルートジョブズ)で営業職を経験する中でヨガと出会い、2006年より指導をスタート。現在はスポーツクラブ等でヨガ、トレーニング、バレエの指導を行なっている。